南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

戦死したティルマンの場合(価値観の研究=その20)

 パット・ティルマンはアメリカのフットボールのスター選手だった。
 彼は、2004年アフガニスタンでの戦闘中に仲間の銃弾によって戦死した。

 彼の死について調査したある中佐が、
「もし人が無神論者で、何の信仰ももたないとしたら、死んでも行くところがないだろう。虫けらになるだけだ。」というような発言をしたことが、ティルマンの家族から猛烈な反発を招き、大きな社会問題となっているらしい。

 要するに、無神論者は成仏できない、ということだろう。

 信仰を持った人間にとっては、信仰をもたない人間は下等に見えるのだろうか?

 宗教について、異教徒に対する寛大さや、理解、共存のための工夫が必要だろう。

 価値観が違うものが価値観の違いを認め合って共存する・・・それこそが今世界でもっとも必要とされていることだと思う。

 アメリカという世界最大の強国が、いかに寛大さを示せるか?注目していたい。