南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

詩「ボール遊び」

 

      ボール遊び

 

             南原充士

 

広場ではいつまでも少年たちがボール遊びをしている
空にはうっすらと三日月が浮かんでいる
少しの間 目を離していたら すっかり暗くなっている
家族が迎えに来たのだろう 名を呼ぶ声がこだまする
見えないものを恐れながらも 足元は激しく動いている
今夜はよく眠れ
明日もまた猛然と走れるように