南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

紛争の解決(価値観の研究=その9)

価値観の体系が異なれば衝突も起きる。

衝突が起きたときにどう処理するか?

これも重要なシステムである。

一番典型的な解決方法は、裁判である。
司法権という権力が基盤となる。
判決が確定すればだれも争えない。

斡旋・仲裁・調停などという手法もある。

和解・示談というのもある。

弁護士がかかわる場合や当事者だけで話し合って解決する場合もある。

暴力的な決着もありうる。

刑法犯として裁判にかかる。

国家間なら、外交、国連といった場で交渉する。

それでもだめなら戦争だ。

戦争が終わると、戦後処理をめぐってまた外交や国連が登場する。

戦後復興についての仕組みや国際協力のプログラムが提案される。

そのつど「価値観の体系」が準備され、議論され、投票にかけられ、決定される。

紛争処理のサイクルは以上のような感じだ。

それでも、過去に数え切れないほど、繰り返された戦争や、紛争、衝突、流された人間の血や失われた命は肥やしとなって現在の価値観の体系のなかにとりこまれている。無駄にはされていないはずだ。

どうしようもないほど、おろかでやりきれない人類の歴史。それでも、歴史を参考にして、すこしは進歩が見られると思うし、思いたい。この辺は証明がむずかしい。