南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

人間関係=その7(相性)(価値観の研究=その34)

 人間関係共通に、「相性」というものがある。

はたして、科学的に解明しきれているかどうかはわからないが、「相性」を軽視すると痛い目に会う。
だれにもそういう苦い経験があると思う。

 英語では、ケミストリー=化学という言葉によって、人間関係の相性のよさわるさを示すことがあるようだ。

考えてみれば、人間も生体として、内部でさまざまな化学反応が行われているのだから、人間関係を生化学反応としてとらえてもおかしくないのかもしれない。

 多くの脳科学者など研究者が、脳の機能の面から感情や感覚を解明する努力を続けているようだ。その成果に期待しよう。

 ゲーテの小説に「親和力」というのがある。

 二組の男女がいて、相性のいい男女同士が結びついたので、ペアが入れ替わってしまうと言う話だ。
 それは、酸とアルカリが化合して、水と塩ができる反応に似ている。

 実は、HとOの結合力が強いので、それが結びついてH2O=水ができる。結果として、塩が残ると言うことらしい。
 男女関係もより強く引き合う男女がいればその二人が先に結びつき、残ったふたりはやむをえず結びつくということだ。

 あるいは、無理して結びつかなくてもいいのかもしれない。

 さびしさに負けて、恋人を求めたら悲劇が訪れるおそれがある。

 これは恋人関係だけではない。

 友人関係や、上下関係、嫁と姑との関係、取引先との関係、国際関係などあらゆる人間関係に当てはまる。

 相性をまず見極めることがたいせつだ。

 悪ければ、できるだけ近づかないのが賢明だ。

 仕事上近づかざるをえないときなどは、細心の注意を払って、相手を傷つけないように努める必要がある。

 「相性」=ふしぎなものだが、重要な要素だ。

 人間関係における相性の大切さを再認識しておこう!