『 菊池洋子 モーツァルト ピアノ・ソナタ 連続演奏会 第4回 』
(平成21年3月28日(土) 紀尾井ホール)
昨日、紀尾井ホールで、第四回が開催された。
四回にわたる演奏会の最終回。
今回も、フォルテ・ピアノとモダン・ピアノで弾き分けられた。
曲目は、
ロンド ニ長調 KV485
ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 KV283
ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 KV331
*
ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 KV284
ピアノ・ソナタ 第18番 ニ長調 KV576
ピアノ・ソナタ 第17番 変ホ長調 KV570
はじめの三曲がフォルテ・ピアノで、後半の3曲がモダン・ピアノで演奏された。
ロンドは、かわいらしい小品で、フォルテ・ピアノの魅力がよく現われていた。
5番、11番はミスタッチでつまずいたらしく、アップアップした演奏になったのが惜しまれる。
後半のモダン・ピアノは安定した演奏で、安心して曲に聴き入ることができた。
アンコールは、次の三曲。
ソナタ第11番 第3楽章 「トルコ行進曲」をモダン・ピアノで演奏。
ピアノのための小品 KV338をフォルテ・ピアノで演奏。
ソナタ第8番 「第2楽章」をモダン・ピアノで演奏。
菊池洋子は、最後まで、フォルテ・ピアノとモダン・ピアノの弾き比べにこだわっていた。
4回の演奏会を聴き終わった感想としては、菊池洋子の才能と努力に惜しみない拍手を送りたいと思う。
感じたことを総括してみれば、
・音楽に取り組む姿勢がとてもよい。
・おおらかなしぐさとピアノに向う真剣な表情がよい。
・ほどよい肉付きとファッションのセンスのよさと姿勢のよさとすばらしい笑顔は、菊池の音楽をより豊かにするように見える。
・若くしてモーツァルトのピアノ・ソナタを全曲演奏した頑張りはすごいと思った。
・ミスタッチが少なくなれば聴衆はもっと安心して聴けると思うので、ぜひ、細部まできちんと仕上げてもらえればと思う。
・フォルテ・ピアノとモダン・ピアノの両方をつかうのはおもしろい試みだと思ったが、今後はどちらかに統一したほうが、演奏が安定してベターなのではないだろうか?
以上のようなことを感じたが、いずれにしても日本人のピアニストとして、最前線を走っている菊池洋子がますます成長して世界の頂点で活躍する日が来ることを望みたい。