南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

あいさつしない社会に変わりつつあるのかな?

最近大きな変化がみられるのは、言語表現だけではない。

気になるのは、あいさつ文化の大きな変化だ。

地域でも、会社でも、朝のあいさつをしないひとがふえていると思う。

新年のあいさつもするひとが大幅に減ったような気がする。

人間関係の希薄化が進んでいる現われかもしれない。

職場のある若者に、質問してみた。

「この会社は、あいさつしないひとが多いと思わない?」

すると、意外にも、

「そんなことはないんじゃないですか? 会社の人全員にする必要はないと思うし。

すれちがうときにいちいちあいさつするのはたいへんだし。」

要は、親しい限られたひとのあいだだけで、あいさつをかわせばいいということなのだ。

それから、クライアントには当然丁重にあいさつするべきだという。

合理的といえば合理的かもしれないが、なんとなく殺風景な気がしてさびしい。

考えてみれば、年賀状について、個人的には、最近出すのをやめた。来たものには返しているが。取引先には、出しているという意味では、徹底してはいない。

世の中が変化してゆくとき、逆らうのはむずかしい。

あいさつが少なくなることを受け入れて気にしなくすることが賢明かもしれない。

しかし、ぼくには、それなりのこだわりがあって、すこし戸惑っているというのが正直なところだ。