昨日、藤原伊織氏がなくなったそうだ。
「シリウスの道」しか読んだことはないが、ストーリーといい、登場人物の描き方といい、ハードタッチで人情味のある文体といい、きわめてすぐれた作家だと感心したことがある。
電通マンとしての経験が小説にも生かされている。
ぼくと同世代であるのも、その心情が理解しやすい理由かもしれない。
やることはめちゃめちゃに見えても、正義感とかヒューマニズムとか一本芯が通っている作風は魅力的だ。作家本人の魅力が作品に反映しているのだろう。
ヘビースモーカーだったらしい氏は不幸にして食道ガンに冒されついに帰らぬ人となった。
その才能がさらに輝くことができなくなったことを惜しむととともに、氏のご冥福を祈りたい。