2020-12-25 「笑う種」5 #詩 「笑う種」5 南原充士 お笑い塾では今日も 塾生たちが絞られていた ――笑いの壷を探してこい ――笑いの骨を拾ってこい 優等生は卒業して 次々と高座に上がった 落ちこぼれはやむなく お笑いの道を断念した 客席に入り浸って 笑い続ける者がいた 巧みな笑いが主の目に留まって サクラとして雇われた 笑わせる方では劣等生だったが 笑う方では優等生だった 芸人の出し物に応じて 今日もタイミングよい笑いが聞こえる