南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2008-01-01から1年間の記事一覧

「フェルメール展」を見て

「フェルメール展」を見て 今回、東京都美術館で開催中の「フェルメール展」(2008.8.2~12.14)を見た。 世界に30数点現存するといわれるフェルメールの絵のうちの7点が今回の展覧会に出展されている。 最近の「フェルメール」への賞賛の嵐…

教育の重要性(価Ⅱ=31)

新聞やテレビのニュースは、事件や事故を優先するということ、および、情報の中立性を保つには、それなりの努力、たとえば、自分の周辺から得られる情報、統計やデータ、公益的な立場から発表される情報、法律などのシステムなどの情報を自分なりに収集し整…

歴史的なアプローチ(価Ⅱ=30)

前にも「歴史」について述べたことがあるが、終戦記念日にあたって、重ねて「歴史」をどうとらえるべきなということについて述べたい。 ひとつ重要な視点は、法的な観点である。その当時の政策判断や実行された施策が適法に行われたかどうかと言う点である。…

現代詩歌と古語

詩は長く書いてきたせいか、言葉の使い方には、ある程度見当がつくような気がする。 しかし、こと短歌や俳句になるととたんに自信がなくなる。 ぼくは、「現代語を使って現代人の感情を表現したい」という目標があるからだ。 短歌と俳句は、いずれも古語や古…

句集『あきらめの夏』

句集『あきらめの夏』 (あきらめの夏) これでもか お化けを見ても 魂消ない もうろうと 魔羅炎天に 誘われず しんねりと ふて寝の野猿 雷落ちて (夏女・夏男) とりあえず 善男善女 浴衣がけ 花火って 胸キュン空で ぱっと散る 水平線 おまえに決めた 水着っ…

歌集『悲しみの夏』

歌集 『悲しみの夏』 (猛暑) 猛暑なら 海へくりだし むき出しの 背中を見えぬ 光で照らす (フランス革命) 流血の ページの上に 取り澄ます 紳士淑女の サミットありて 戦争と 平和はもたれ 合うものか いのちも金も 嘘も真も 嘆いても 地球は周り 腹は減る…

もぐらたたき(価Ⅱ=29)

北海道洞爺湖サミットが終わった。その成果については、さまざまな評価がありうるが、私見では、なかなかのできだったと思う。 しかし、現実は、予想以上にドラステイックに変化する。 サミットの大きな枠組みとは別に、マーケットはグローバルにまたローカ…

情報の偏り(価Ⅱ=28)

情報化社会といわれるように、最近、われわれの周りには膨大な情報があふれている。 新聞やテレビやラジオ。雑誌や単行本や文庫。インターネット。CDやDVD。屋外広告や交通広告。映画、演劇、コンサート。デモ行進。立会い演説。口コミ。など。 できる…

福田総理の政権運営について

最近の政治情勢について(平成20年6月3日現在) 安倍総理大臣のあとに福田総理が就任して早9ヶ月。予想外に多くの難事に直面したといってよいだろう。福田総理の舵取りをどう評価すべきだろうか?いろいろな評価がありうると思うが、ここでは、ぼくなり…

夏目漱石「文学論」に見る漱石の「決断力」

【 夏目漱石「文学論」の「序」に見る決断力 】 夏目漱石の「文学論」の「序」は、漱石の率直な息遣いがうかがえて実におもしろい。 いくつかのポイントを列挙してみよう。 1. 明治33年、第五高等学校の教授時代に、希望したわけではないのに、校長と教…

夏目漱石「文学論」に見る「美醜論」

夏目漱石の「文学論」を見ていたら、「連想の作用にて醜を化して美となすの表出法」という項が目に付いた。 漱石といえば、小説はあまりにも有名だが、「文学論」を読んだことがある者はすくないのではないだろうか? 天下の漱石がどんなことを言っていたの…

医師の役割(価Ⅱ=27)

病気について、一般人は、患者にしかなれない。病気と治癒と半病と後遺症と障害と苦痛と昏睡と死と。 しかし、医師は、治療することができる。この差は、天と地ほどの差がある。 医師は、患者の命をあずかる。握るのである。 患者は、命永らえるために、医師…

人間ドック(価Ⅱ=26)

病気の予防には、健康診断がひとつの有力な手段であることはいうまでもない。 人間ドックと呼ばれる健康診断方法は、わが国でもかなり定着していて、毎年きわめて多くのひとびとが受診していると思われる。 けっこう費用がかさむのが難点だが、いのちにかか…

健康法その3=2(気の持ちよう)(価Ⅱ=25)

ストレス解消法はひとそれぞれで、千変万化だと思う。 科学的な根拠のある方法から、信念や迷信みたいなものまでいろいろあるようだ。 そういう中で、個人的に有益だと思ったのは、前にも触れたことがある、渡辺淳一著「鈍感力」である。 このエッセイは、医…

健康法その3=ストレスの解消(価Ⅱ=24)

第三に、ストレスの解消についてふれたい。 これもまた、目新しいテーマではないが重要である。 ストレスの解消は、おそらく脳の働きとのかかわりが重要だと言ってよいと思う。 ストレスが少なければ、脳の働きがよくなり、神経の伝達もスムーズで、ホルモン…

健康法その2=適度な運動(価Ⅱ=23)

適度な運動が、健康にいいことは言うまでもないだろう。 ちょっと思いつくだけでも、次のような利点がある。 1. 摂取した栄養を的確に消費するのに役立つ。 2. インシュリンなどの分泌を促進し、体調を保つ。 3. 神経伝達物質やホルモンの分泌を促し、…

衆参両院のねじれ国会(価Ⅱ=22)

連日、マスコミでは、衆参両院のねじれ国会について報道がなされている。 わが国にとって重要な法案や人事案件が決まらないということは深刻な問題であることに異論はない。 だが、冷静に見れば、これらはすべて「想定内」の事態だと言えば言える。 なぜなら…

健康法その1=食事篇(価Ⅱ=21)

健康法その一は、「バランスのとれた食事」だ。 食事をすると、口・胃・腸・すい臓・肝臓などの働きで食物は消化される。 とりわけ、ブドウ糖・脂肪・たんぱく質を安定して摂取するには、肝臓の代謝機能がたいせつだ。 食物から吸収した栄養を材料にして体細…

健康法(価Ⅱ=20)

人間は一般的には長生きしたいと思うだろう。 不老長寿の薬とか長生きの秘訣とか加持祈祷とか歴史をさかのぼると、さまざまな生への執着事例が見られる。 運命は過酷でいたずらだから、現実は想像を絶する数奇な生老病死の列伝であり博物館である。 ピラミッ…

e-Taxについて

確定申告の季節がやってきた。ぼくは、それほどの収入があるわけではないが、医療費控除などの申告をするため、確定申告をして少しでも節税したいと思っていた、そのときふとインターネットを通じて申告する方法があることを聞いて、それでは、それをやって…

生老病死(価Ⅱ=19)

いかに生きるかとか、生きるための最低条件とか、生きるための努力とか、生きるための競争とか、生きるための戦いとか、生きることにまつわる議論はこれまでにかなり深く論じてきたが、病気や死については、かならずしも十分に論じてきてはいないことに気が…

議長斡旋(価Ⅱ=18)

ガソリン税の暫定税率をめぐる与野党の折衝が難航していたのでどうなることかと注目していたら、衆参議長のあっせんによって、一応の解決をみたようだ。 衆議院と参議院のねじれ(多数派が異なっていること)による、法案成立の遅れは国民生活に悪影響を及ぼ…

ニュートラルとは?(価Ⅱ=17)

人間関係についての難しさは今更言うまでもないが、最近、自分が個人的に経験したことをもとにすこし考えてみたい。 1.歯医者でのこと 定期的に通っている歯医者がある。歯科医師は異動があるので、いつも同じ医師に診てもらうわけではない。 最近、また虫…

責任(価Ⅱ=その16)

16.責任 「責任をだれがとるか?」は、さまざまな局面できわめて重要である。 年金保険の問題で、被保険者の台帳をきちんと管理していなかったことへの責任とか、 血液製剤によって肝炎にかかった患者が発生したことへの責任とか、食品の賞味期限をごまか…